特定遊興飲食店

特定遊興飲食店営業

特定遊興飲食店営業は、平成27年の風俗営業法改正により新しくできた許可業種です(平成28年6月施行)。

ナイトクラブなど、その他設備を設けて深夜0時を超えて客に酒類を提供(飲食)し、かつ遊興させる営業形態を言います(風俗営業に該当するものを除く)。

お客さまに遊興をさせることが目的の場合は、特定遊興飲食店営業許可申請を行います。

具体的に、クラブ、生バンド演奏カラオケ、ショーパブ等です。スポーツ観戦できるモニターを配置し、観戦イベント等を行う営業形態も対象になる可能性があります。

下記の要件を満たす営業形態の場合は、特定遊興飲食店営業許可を申請します。

  1. 深夜0時以降朝6時までに客に酒類を提供する。
  2. 客に遊興させる。
  3. 客に酒類を提供して飲食させる。

遊興させるとは

 特定遊興飲食店として規制対象になる「遊興させる」とは、店側(営業者側)の積極的な行為によって客に遊びを興じさせる場合をいいます。一般的には、ショーを見せたり、ダンスをさせたりすることです。

遊興にあたる行為

  1. 不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為。
  2. 不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為。
  3. 客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為。
  4. のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為。
  5. カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為。
  6. バーなどでスポーツなどの映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼びかけて応援などに参加させる行為。

遊興させることにあたらない行為

  • 飲食店で客がカラオケをするために機械を操作し、マイクを渡す行為。
  • スポーツバー等でスポーツの映像をただ映している。
  • ダーツバーで客が自主的にダーツを楽しむ。  など

許可要件

①人的要件

特定遊興飲食店営業の人的要件は,風俗営業許可と同じです。

②場所的要件 ※東京都の場合

【営業所設置許容地域】

【保全対象施設】

用途地域 保全対象施設 営業禁止距離
近隣商業地域 児童福祉施設 100m
病院
診療所
第二助産施設
商業施設 児童福祉施設 50m
病院 20m
診療所(8人以上の患者を入院させるための施設を有するものに限る)
第二助産施設 10m
診療所(7人以下の患者を入院させるための施設を有するものに限る)

特定遊興飲食店営業許可には、保全対象施設に学校・図書館が入っていません。比較すると少なくなっているという特徴があります。

※住居集合地域又は住居集合地域からの距離が20m以下の区域(当該区域が風俗営業等密集地域に該当する場合は幹線道路の各側から外側50m以下の区域を除く)では営業できません。

ホテル内等適合営業所の基準

営業所設置許容地域の外にあるホテル・旅館が以下の要件を満たす場合は、当該ホテル・旅館の中で特定遊興飲食店営業を営業することが認められています。

  1. 同一階のほかの区域、直上・直下の区域を、ホテル・旅館営業者又は風俗営業者等が管理していること。又は風俗営業者、特定遊興飲食店営業者若しくは深夜において酒類提供飲食店営業若しくは興行場法(昭和23年法律第137号)第1条第2項に規定する興行場営業を営む者が管理すること。
  2. バルコニーを設置する場合には、バルコニーに通じる出入口に二重扉を設けること。
  3. 非常の場合を除き、営業所が設けられる施設のうちホテル等営業者が管理する部分を通じてのみ客(客となろうとする者を含む。)が営業所に出入りできるような構造であること。
  4. 営業所への客の出入りをホテル等営業者が適切に管理することが見込まれること。
  5. 営業所が設けられる旅館業法第2条第2項に規定するホテル営業又は同条第3項に規定する旅館営業に係る施設が法第2条第6項第4号に規定する営業の用に供されるものでないこと。

③営業所の構造・設置基準

  1. 客室の床面積は、一室の床面積を33平方メートル以上とすること。
  2. 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
  3. 善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
  4. 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。 ※営業所外に直接通ずる客室の出入口は除く。
  5. 第95条に定めるところにより計った営業所内の照度が10ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。
  6. 第32条に定めるところにより計った騒音又は振動の数値が法第31条の23において準用する法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

風俗営業・特定遊興飲食店営業において守るべき騒音・振動の基準 

地 域

午前6時

~午前8時

午前8時

~午後6時

午前6時

~翌日0時

午前0時

~午前6時

①第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第一種文教地区、        田園住居地域

40db 45db 40db 40db

②第一種高層住居専用域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、 第二種住居地域、準住居地域及び無指定地域             (第一種文教地区に該当する部分を除く。)

45db 50db 45db 45db
③近隣商業地域、商業域、準工業地域、工業地域及び工業専用地域   (第一種文教地区に該当する部分を除く。) 50db 60db 50db 50db

特定遊興飲食店営業の照度

飲食用客席で測定します。

  • 鑑賞型(ショーパブ等)・・・営業時間の半分以上を10ルクス以上にすれば特定遊興飲食店営業にあたる。
  • 参加型(ディスコ等)・・・10ルクス以上にすれば特定遊興飲食店営業にあたる(飲食用客席が客室面積の1/5以下ならば遊興させる場所も測定)。

営業時間の制限 ※東京都の場合

午前5時から午前6時の間は営業できません(施行条例第13条)。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令

社交飲食店?特定遊興飲食店??

 社交飲食店なのか、特定遊興飲食店なのかは、「接待をするかどうか」と、「深夜0時以降も営業するかどうか」という考え方になります。接待を行うのであれば社交飲食店の許可が、接待はせずに深夜0時以降も遊興させる営業を行うのであれば、特定遊興飲食店の許可が必要になります。

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